なぜN25は、毎月違った感動を与えてくれるのか?
「キャビアなんて、どれも同じ味でしょう?」 もしそう思われているなら、それは少しもったいない誤解かもしれません。
一般的な缶詰めの食品とは違い、N25キャビアは熟成用のマスター缶の中で、呼吸し、熟成し、刻一刻と変化し続けています。
ワインがヴィンテージや開栓後の時間で表情を変えるように、キャビアもまた「二度と同じ味には出会えない」一期一会の食材なのです。
なぜ、N25のキャビアは毎月味が変わるのか? そして、なぜ毎月食べても飽きることがないのか?
その秘密を、3つの視点から紐解きます。

1. 個体差、一匹として同じチョウザメはいない
一般的な加工食品のように、常に同じ味であることを追求するのではなく、N25は自然そのものの個体差を「個性」としてそのままお届けします。
チョウザメは生き物です。人間と同じように、生まれ持った性質、育った環境、卵のサイズ、脂の乗り具合、すべてが一匹ごとに異なります。
私たちは無理に味を均一に揃えることよりも、塩分濃度や熟成期間をその個体に合わせて微調整することで、一匹ごとのポテンシャルを最大限に引き出すことを大切にしています。
Pro's Voice: 「毎日何缶もテイスティングを行いますが、同じ品種、同じロットであっても『おっ、この個体は旨味しっかりあるな』『これは優しくて繊細だな』と驚かされることがあります。この個体差こそが天然に近い環境で育った証であり、N25を開ける際の一番の楽しみなんです。」

2. 熟成マジック — 時間が「旨味」を育てる
採卵したてのフレッシュなキャビアと、数ヶ月寝かせたキャビアは、まるで別の食べ物です。
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熟成初期(〜2ヶ月): 卵の皮は個体によってはかたさを感じる、味わいはフレッシュでクリーミー。塩の味がまだ目立ち、キャビアの個性をそこまで感じられない。
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熟成中期〜長期(3ヶ月〜): 卵の持つタンパク質がアミノ酸(旨味成分)へと変化。味にそのキャビアの持つ個性や味の複雑性が現れ、チーズやナッツのような濃厚なコクも生まれます。
N25では、その個体に最適な熟成期間を見極めて出荷しています。
先月食べたキャビアと今月届くキャビアは、たとえ同じ品種でも「熟成のステージ」が違うかもしれません。
Pro's Voice: 「熟成はただ待てばいいというものではありません。温度、湿度、空気の触れさせ方のすべてをコントロールします。若いキャビアが『新鮮なミルク』だとしたら、熟成を経たキャビアは『芳醇な発酵バター』。この味のグラデーションを楽しめるのは、無添加であるN25ならではの特権です。」
3. 季節の移ろい — 水温が変える「脂」と「食感」
「旬」の話とも繋がりますが、採卵時の水温はキャビアのテクスチャーにダイレクトに影響します。
水温が低い時期の個体は脂が乗り、皮がしっかりとして弾力があります。逆に、水温が高い時期はサラッとした脂質で、口どけの良いソフトな食感になる傾向があります。 日本の四季が美しいように、キャビアにも季節ごとの「顔」があるのです。
Pro's Voice: 「冬のキャビアが濃厚でどっしりとした重厚感を持つのに対し、暖かい時期に仕込んだキャビアは軽やかで華やか。毎月食べ比べていただくと、『今月はキリッとしているな』『先月より口溶けが早いな』といった季節の便りを感じていただけるはずです。」

結論:記念日だけではもったいない。「毎月の変化」を楽しむ贅沢
キャビアは特別な日に食べるもの。もちろんそれも正解です。
ですが、私たちは「ワインを毎週末選ぶように、その時々のキャビアを楽しんでほしい」と考えています。
「今月は熟成が進んだ濃厚なロットが入ったから、赤ワインに合わせてみよう」 「今月はフレッシュだから、冷製パスタに乗せてみよう」
そんな風に、キャビアの状態に合わせて食卓をコーディネートする。
それは、真の美食家だけが知る、大人の遊び心です。
【予告】N25からの新しいご提案
「そうは言っても、毎月どう選べばいいかわからない」 「一番いい状態のものを、プロに選んでほしい」
そんなお声にお応えするために、現在私たちは「年間を通してキャビアの四季と熟成を楽しむプラン(仮)」を構想しています。
春のフレッシュな味わいから、冬の濃厚な熟成まで。 N25キャビア代表の金子がその月ごとの「ベスト・オブ・ベスト」をセレクトし、解説とともにお届けする特別な体験です。
詳細は近日中に発表いたします。 毎月届く「一期一会の感動」を、どうぞ楽しみにお待ちください。
著者:N25キャビアジャパン代表 金子 稔晃
